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   震災体験記【心の声】

地震後の生活の中で特に思ったことを挙げていきます。
・頭がかゆい!!
 けっこう早めに思ったのがこれ。断水にはならなかったものの、電気が来ないとお湯を沸かせない(3月だし水で頭を洗うのはつらいです)。体は水で濡らしたタオルで拭くこともできますが、困ったのは洗髪。水なしで洗髪できるドライシャンプーみたいなものは実家にあったけど、残量が少なそうなのでけちけち使ったせいかあまり効果がなく、電気が来てお風呂に入れるようになるまでずっと頭がかゆかったです。同じ地域に住む友達はガスコンロでお湯を沸かしてそれをお風呂のお湯にしてたと聞き、その手があったか!とあとから思いましたが、災害の時は何がだめになるかわからないので、断水やガスの故障に備えて、ドライシャンプーは家族の人数分、潤沢に準備しておいたほうがいいなと思ったのでした。
・石油ストーブ最強!!!
 電気もない、ガスもない、という時に最強だなと思ったのが石油ストーブ(ただし灯油がないとだめですが)。実家では地震前も常にストーブを台所に置いて、お湯を沸かしたり、鍋を煮込んだりと煮炊きの一環で使っていたので、地震後も普段とそう変わらず活用することができました。煮炊きにストーブを使うという30年ぐらい前の生活様式をそのまま続けていたことが奏功。石油ストーブに限らず今回思ったことですが、日の出とともに起床し、日が沈めばろうそくの灯り、ラジオ、晴耕雨読…という「昔ながらの生活」になじめることが肝要だなぁと。オール電化やテレビ・ネット一辺倒というような現在の世の中ですが、電気が不通の時にも使えるもの、ネットが不通の時にも使えるもの、という「代替品」を準備しておくことが必要だなと思いました。さらに普段からそれらを実際に使ってなじんでおくとよりいっそう理想的かと。普段からストーブ使ってた、テレビも見るけどラジオもいつも聞いてた(実家の母は台所仕事の時にいつもラジオを聞いていました)、というように災害前と災害後の「ギャップ」が少ないほうがストレスが少ないですからね。
・ガソリンがない!!!つまりチャリ最強!!!
 なんでこんなにガソリンがないのか!?油槽や製油所?の倒壊、輸送路の寸断、小売店(スタンド)の倒壊や破損に伴う閉鎖、といろいろな原因が重なっていたようですが、電車もバスも便が悪い地域ではガソリンがないとほんとに困ります(電車もバスも不通だし余計に)。あとまだ寒い時期だし灯油もね。でも車については自転車で代替できているのでほんとに助かった。仕事場や買い物できるスーパーとかが自転車で行ける圏内でほんとによかった。何の燃料もいらないチャリ最強です。チャリで行くにはどこも遠いという場所に住んでいる方は一度、車にガソリン入れられなくなったらどうするかっていうのをシミュレートしておいたほうがほんとにいいと思います。あと車のガソリンとストーブ用の灯油、携帯の充電は常に満タンに!!というのを今回痛感しました。尽きてしまえば一緒なんだけど、やはり少しでも備蓄できているほうが、尽きるまでの間に何とかなるかもしれないし、そう思えることで心の平安が長続きしますね。
・動物(ペット)はかわいそうだな…
 飼い主が自宅に居続けるならいいですが、どこかに家族で避難するという時、動物(ペットや家畜)をどうするか?というのは大きな問題ですね。我が家の場合、避難所に行く時には犬は家に置いていきましたが、木の柵を食い破って脱走するぐらいパニックになってたというのはかわいそうでしたね。かと言って避難所に連れていったとしても見知らぬ場所で大興奮して迷惑になるのは目に見えてるし、連れていったとしても置いていったとしても、災害時というのはペットにとっては非常にストレスのかかる状況であることに変わりないと思います。じゃあどうするのか?少しでもストレスを少なくしてあげることしかできないと思いますが、具体的にどのようにするのか、ペットがいるご家庭ではいざ災害となる前に考えておいたほうがいいのではないでしょうか。うちも一晩で避難所を出て次の日からは家に居れたからよかったけど、もっとずっと避難所にいることになってたらどうなってたかわかりません…昼は家に帰って夜だけ避難所に戻るとか(でも別れ際にまたパニックになるだろうなぁ…)、それとも被災地以外の誰かに預けるか。でも誰に?そういうあたりを具体的に、預けるなら預け先に前もって話を通しておくとかしておくと、いざ災害という時にスムーズに動物を守ることができるのかも。
・「絆」を信じ過ぎないでほしい。特に女性や、力が弱い方々。
 これだけでわかってもらえる方にはわかってもらえると思いますが…テレビや新聞で報道されない嫌な話、怖い話、地元に住んでいるから伝わってきた話というのをいろいろ聞きました。
 とにかく、1人きりにならないこと、「普段から信頼できている人」と一緒にいること、人気(ひとけ)のない場所に絶対行かないこと、夜暗くなったら絶対出歩かないこと、それと、初対面の人は信じないことです。たやすくついて行ったり、車に乗ったりするのは大変危険です。
 普段は平和な集落だと言っても、被災後は、外部から犯罪目的で入り込む人がいます。平和な土地に住んでいる方も気をつけてください。
 男性の皆さんは、奥さんや娘さん、お姉さんや妹さん、力の弱い家族、大事な女性の皆さんを守ってあげてください。お願いします。
・自分の家の被害は減らせる。
 実家では食器などがかなり割れて、震災ごみとして父と母がだいぶたくさん出しに行っていましたが、私のアパートにある食器や割れ物は、自慢じゃないですが(実はけっこう自慢ですが)何ひとつとして割れませんでした。ふちがちょっと欠けた小皿が1つあっただけ。私はわりと、地震が来る前から、地震の時にできるだけ物が壊れないような家具や物の選び方、置き方などをしていたのです。だって宮城県沖地震が30年以内に99%の確率で来るって言われてたから…。そりゃ備えるでしょ。でも実家の様子や、地震後に母や友達とそういう話をした時にけっこうほめられた(自慢)ということを考えると、そりゃ備えるでしょっていう考えの人が大多数ではないのかも。
 備えたほうがいいですよ。物が壊れると悲しいし後片付けも大変だし、買い直すのにお金がかかるし、もし家具とかが倒れてきたら、逃げるにも逃げられない…という状況になってしまうこともあり得ます。
 私は以下のような感じで備えてました。
・家具は背の低いものを選ぶ(家族が多いと難しいかもしれませんが)。
 うちの食器棚は1人用の背が低いやつです。中の食器は位置がずれたりはしてたけどほぼ無傷。棚の大きさの割に食器が多いので、わりと隙間が少なく詰め込むように入れてたのもよかったと思う。(背の高い食器棚でこれをやると、頭が重くなって倒れてきやすくなると思うのでお勧めしません。)
・倒れてきても自分の力で起こせるように、ワイヤーシェルフとかカラーボックスみたいな軽い家具を選ぶ。
・食器以外の割れ物はそもそも部屋の中に置かない。鏡とかテレビとかはしょうがないけど。ガラスや陶器の大事な飾り物とかは大事にしまっておく。
・物を買う時は、地震の時に壊れないようなものを買う。部屋に置く時は、地震の時に落ちたり飛んできたりしないように考えて置く。
 備えすぎですか…?
 臆病さで自分の身を守るという、トキのような人間なのかもしれませんが…。
 たぶん、家族構成とか部屋の広さによって、何をどうしたら備えられるかっていうのは変わってくると思うので、自分の家では何をどのようにしたら安全かっていうのを常々、自分で考え、実践しておくということが大事なのかなと思います。
(続くかも?)

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